春の訪れとともに、季節の香りを運んでくれる行事はいろいろあります。
中でも3月3日のひな祭りは、鮮やかな春の色合いが並び、ひと際華やかですね。女の子のお祭りというイメージが強いひな祭りですが、その詳しい由来までは知らない方も多いものです。
何となく眺めているひな人形や、縁起物として頂く食事の数々、これらには歴史と共に歩んできた奥深い意味が隠されているそう。
今回は、毎年ひな祭りを楽しみにされているご家庭だけでなく、新米ママさんにも耳寄りな、ひな祭りについてのあれこれをご紹介していきたいと思います。
縁起のよい食事とは?
まず、ひな祭りの食事で代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
ひし餅・ちらし寿司・ハマグリのお吸い物・ひなあられ・白酒などなどありますね。
これらをビジュアル的に頭の中でイメージしてみて下さい。
どうですか!?真っ先に見えてくるものは、春らしいカラフルな色合いではないでしょうか?
諸説あるとはいうものの、ひな祭りならではの食事に使われている色と、縁起の良さには関係があるようです。
例えばひし餅。ひな人形と共に、節句飾りには必ずと言っていいほど並んでいる三段重ねのアレです。
上から順に、ピンク・白・緑と美しく重ねた生地をひし形に切ったものですが、この三色にも次のような由来があるとされています。
別名、桃の節句とも言われるひな祭り。ピンクはズバリ桃の花をイメージしたものですが、それと同時に“魔除け”の意味があるのだとか。
更に、雪を表す白は浄化、大地を表す緑は健康をそれぞれ願った色合いなのだそうです。
また、その着色に使われる天然の材料にはそれぞれ薬効もあり、単なるお供え物としてだけでなく、それを食することで、子供の健やかな成長や健康を願うものであることがわかります。一説によると、このひし形は人間の身体の中で最も大切な“心臓”を模しているそうですよ。
色以外にも、この頃旬を迎えるハマグリを使ったお吸い物にも、材料がハマグリでなくてはならないこんな意味が隠されています。
ヒントは、昔の宮中遊びでもある“貝合わせ”。この遊びの絶対条件は、貝殻同士がピッタリ合うことです。ハマグリの貝殻は特殊で、どんなにたくさんの中から選んでも、元々の対でなければピッタリ合わない形をしています。つまり一緒でないといけないのです。
この常に一緒ということから、夫婦円満や一生添い遂げるなどの意味合い=ハマグリのお吸い物となっているようです。
昔の人の発想は、本当に粋というか素晴らしいですよね。
食事として用意するものには、それなりの由来があることが分かったところで、ひな祭りそのものは一体いつから?という疑問が湧いてきたかもしれませんね。次は、そのことに触れてみたいと思います。
ひな祭りの由来とは?
ひな祭りの起源は、室町時代に中国から伝来した五節句の一つ、上巳節(じょうみせつ)と言われています。上巳とは、今でいう三月上旬を指しており、上巳節は年齢・性別を問わず、人々が無病息災を願い水辺で行う禊(みそぎ)の神事だったようです。
それが平安時代になると宮中での人形遊びに転じ、現在でも行われている“流し雛”へと移り変わってきたとされています。
ひな祭りには段飾りのひな人形がお約束のようですが、これが定着したのは江戸時代に入ってから。
ちょっと意外ですよね。
最近ではスペース的な事情もあって、ひな飾りもコンパクトなものに人気があるようですが、歴史的な背景を知れば、一体一体飾り付けていく楽しさも、また違ってくるかもしれません。特にひな人形は、母と娘が一緒に飾ることで受け継がれる愛情も倍増するなどと聞きます。
もう何年もひな祭りの人形を出していない、そんな方がいらしたら、娘さんと一緒に飾り付けを楽しんで見られてはいかがでしょうか。
ケーキでいいかも
ひな祭りでいただく食事には由来があるとご紹介しましたが、あなたのご家庭にはひな祭りの定番料理、ありますか?
お子様がまだ小さかったり、食の好みが違ったりで、今回ご紹介した定番料理ではなかなか納得いただけない方もあるでしょう。
確かに縁起を担いだひな祭り特有のメニューはあるものの、もっと自由な発想で、我が家なりの定番があっていいのかもしれません。
既成の枠に囚われず、洋風のアレンジでひな祭りを楽しんでおられるご家庭もたくさんあります。
お酢を使ったちらし寿司が苦手なら、ケーキやお菓子でももちろんいいのです。
一番大切なのは我が娘を思いやる愛情、それだけですよね。
動画:【アミリー】超簡単!! ひな祭りの3色プリンを作りました♪
まとめ
地方によっても独特の祝い方や食事の作法があるひな祭り。
ここでご紹介した事が全てとは言い切れませんが、準備の前の豆知識としてお役に立てば幸いです。飾りや食事を通して、ひな祭りの新しい楽しみ方がまた一つ増えるといいですね。