夫婦喧嘩は犬も食わないとは？知ってるようで知らないことわざの解釈

夫婦のありさまを
例えたことわざのひとつに
「夫婦喧嘩は犬も食わない」って
あるのをご存知ですか？♪

育ってきた環境が違うから
すれ違いは否めない…。♬

こちらは有名な歌の歌詞ですが、
確かに男女の間には良い時もあれば
そうでない時もあって、
より長い時間を過ごす
夫婦ともなればなおさら、
喧嘩や言い争いがゼロとは
言い切れなくなってきます。

今回は、
「夫婦喧嘩は犬も食わない」という
ことわざに注目し、
知っているようで知らない言葉の知識を
深めてみたいと思います。

ちょっとユニークなマメ知識も
加えてご紹介しますのでお楽しみに！

夫婦喧嘩は犬も食わないの意味

一般的に言われている
「夫婦げんかは犬も食わない」
の意味とはこんな感じです。

“夫婦喧嘩のきっかけは些細なもので、
しかも内容は取るに足りないことが多い。

いちいち他人が干渉し
仲裁に入るまでもない上に、
放置しておいても勝手に収まるものである。”

夫婦って、
もとは全く別の環境やルールの中で
過ごしてきたもの同士。

何かのきっかけで出会い、
やがてまた新しい家庭を築いていくという
関係なので、
わからないことがあっても当然。

しかもそれは結婚に至るまでの
交際期間の長さに比例しないことだと
思うのですが、
どちらかの感覚に
無理やり引き寄せようとすると、
多くの場合で喧嘩に発展してしまうのが
世の常というものです。

内容も確かに人ぞれぞれで、
他人には全く理解できないような
つまらない話から結構シビアなものまで
ありますよね‥。

でもなんでその喧嘩を
「犬も食わない」のか
解説しろと言われたら、
あなたは上手くできるでしょうか？

夫婦喧嘩の例えに「犬」が登場する理由

犬という動物は昔から人間の暮らしと
密接な関係にあるもので、
現代では「コンパニオンアニマル」
なんて表現も使われて、
家族同様かむしろそれ以上の手厚さで
飼われるようになってきました。

しかし昔は、
人間と犬との力関係は
完全に人間が上。

犬は人間のおこぼれをもらうのが
一般的で主に残飯(ざんぱん)を
食べていたことから、
何でも食べる動物＝犬という定義が
出来上がったようです。

そんな中で、
何でも食べるはずの犬さえも
顔を背ける嫌なものが夫婦の喧嘩。

大した意味もない言い争いは
放ったらかしにしていても問題ないという
理屈がいつの間にか当たり前になり、
夫婦喧嘩は犬さえも食わないという
風刺につながったと推測されます。

ちなみに、
同じく「犬も食わない」が
使われていることわざでは、
「夏の蕎麦（そば）は犬も食わない」
というものがあります。

蕎麦に関しては時期的に
風味が劣り美味しくない状態のことを
指しているようですが、
いずれにしても犬にとっては
無意味で嫌いなことに違いないようです。

ことわざの歴史

さて、世の中をちょっと斜めから
見た皮肉だったり、
戒(いまし)めだったりというのが
「諺（ことわざ）」の世界における
一つのカテゴリーです。

最後に少しだけこの歴史を
ご紹介したいと思います。

ことわざというのは世界各国に存在しており、
同じ意味でもその国の言葉や表現によって
微妙なニュアンスの違いが楽しめる、
いわば言葉あそび的な要素も持つものです。

日本で親しまれていることわざの中には、
中国の古い言い伝えや詩人たちの詠(よ)んだ
歌からきているものも多く、
独自の進化としては平安時代ごろから
盛んに使われだしたという記録が
残っているようです。

ちなみに、
夫婦喧嘩は犬も食わないを英語で
表現すると、
“One shold not interfere in lover’s quarrels”となります。

ではことわざの源流である
中国ではどうかというと、
実は犬も食わないどころか、

夫婦喧嘩には
必ず見ず知らずのギャラリーが居て、
当の夫婦はそのギャラリーに向かって
自分の正当性を問うのが
日常のスタイルになっているんですって！

お国柄が違うと夫婦のあり方も
結構面白いですよね☆

夫婦喧嘩はお互いを認識し合っているからこそ

今回は、数あることわざの中から
「夫婦喧嘩は犬も食わない」を
ピックアップして、
その成り立ちや解釈について
ご紹介しました。

相手の些細な言葉や行動が気になって
揉めることはあっても、
本当にあっけらかんと
仲直りできてしまうのが夫婦という
関係性の不思議なところかもしれません。

喧嘩にまつわる例えでは、
「喧嘩する程なかがいい」
なんていうのもあります。

結局は相手のことを認識するっていう部分が
重要なのでしょうか！？

犬は食ってくれなくとも、
夫婦として向き合うための喧嘩は
それなりに意味のあること。

私はなんとなくそう思います。