「高齢出産」という表現が珍しくなくなった現在、この瞬間にも自分の年齢や置かれている環境と妊娠や出産の問題で思いを巡らせている方も少なくないと思います。ちなみに私は37歳の時に長男を出産した高齢出産の経験者です。
出産から10年が経過して
『アッという間だったなあ・・』
というのが今の素直な感想。
実はつらい事や大変なこともあったのですが、その記憶は子どもの成長と共に若干薄れつつあります。でも高齢出産について疑問や悩みを抱えておられるプレママ【妊娠中の女性】にとっては、経験者の言葉で語られることの全てを知っておきたいはず。
そこで今回は、私自身の経験を振り返りながら高齢出産に思うことを書いてみたいと思います。
高齢出産とは
まずはあらためて高齢出産とは何なのか?
日本産婦人科学会によると、現在では35歳以上の初産婦を高齢出産という定義でまとめられているようようです。しかし一般には初産婦・経産婦に限らず出産した年齢の方に重きを置いていて、おおむね35歳以上での出産=高齢出産とする見方が強い傾向です。
そして高齢出産で避けて通れないのは、生まれてくる子供に予想される障害の問題や出産前後の母体に係るストレスの問題。
高齢出産を控える人でこのことを全く知らずに通り過ぎる人は、まずいないと思います。私の場合は妊娠も出産も基本的に流れまかせでしたが、周りの反応はどうだったかというと確かに歓迎ムードばかりではなかったと記憶しています。
『自分は元気だから大丈夫!』
みたいな変な自信はあったのですが、高齢出産というハードルはそんな私の鼻っ柱を折るのに十分な出来事でもありました。周りはアドバイスのつもりでも、私にしてみれば『40歳過ぎても健康な赤ちゃんを産んでいる人はいっぱいいるのに、37歳で出産することがそんなに問題なワケ!?』
常にそんな心の叫びを抱えていたものです。
心配が全くなかったかと言えばウソになります。
とにかく見るもの聞くもの全てが初めて。生まれてくる子供のために最善をと思う気持ちから育児書を見ればどうしてもリスキーな内容に目が留まり、周りから寄せられる情報をどう処理していいのかわからなくなった時期もありました。
経験者が思う高齢出産のメリット・デメリットとは
高齢だろうとなかろうと初産には不安がつきもの。あらためて経験者として思う高齢出産のメリットとデメリットをまとめてみたいと思います。
高齢出産のメリット
高齢出産のデメリット
通常800人に1人の確率で生まれているダウン症の赤ちゃんも、20歳で出産した人に現れる確率が1178人に1人であるのに対し、私が出産した年齢の37歳では187人に1人と明らかに多くなることがわかっています。
出典元:http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/70
さらに母体が40歳を超えると1~2%にはその傾向がみられると言いますから、やっぱり不安がゼロではないのが本当のところです。
これらはあくまで個人的な見解であることをご了承ください。
もっと広い視野に立てば、生まれてくる子どもの障害に関すること、親の介護や自身の老後の身の振り方など、高齢出産のデメリットに挙げられていることはたくさんあります。
ただし、デメリットを感じるから生まないという選択は極端かなと思いますし、良い事ばかりではないけれど高齢出産によって得る喜びがあることも理解して欲しいと思います。
では、私なりに高齢出産のデメリットだと感じていることをこれまでの間どうしてきたのか。そこについてもふれておきます。
高齢出産のデメリット 私なりの克服法
結果として私の子どもには特別な障害もなく今に至るので言えるのでもあり、ケースバイケースと言ったらそれまでですが、私の高齢出産においては産科医の存在が一番大きくまた信頼できる物でした。
ただでも不安定になりがちな妊婦には、正しい知識の元で対応の仕方を明確にしてくれることが何よりの救いだったからです。ドクターの助言で過剰な検査を踏みとどまったという点も含め、私が高齢出産のリスキーな部分をどう乗り越えたのかにも触れておきます。
出産した当時、両親はすでに他界していて私は一人っ子。実家寄りのサポートという点ではほぼ望めない状況にありました。さらにお姑さんとも住まいが離れていたため、24時間ほぼ自分の手を離れることはない育児を余儀なくされた感じです。
旦那さんが仕事に出ている時間はもちろん、身だしなみどころか食事もままならずの日々でした。
いまでこそ「ワンオペ育児」なる言葉があって、育児全般を母親だけで担うことの良し悪しが取り上げられていますが、そういったケースは今も10年前も変わらず存在していることの一つではないかなと思いますよ。
ワンオペ育児!?コトバンクを引くと
【配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す言葉である。母親1人を指す場合がほとんど】
となっていました。
完全母乳であった私は自分の体力を維持していくのと同時に子供の栄養も支えなければならず、その意味でも食事の工夫が一番のネック。ただ、無理して買い物に出るよりも一時的にネット宅配を駆使することで負担の軽減にはなったと思います。
自分の健康維持と子供の成長の狭間で悪戦苦闘すること1年、突然のめまいが襲ってダウンしたこともありました。更年期とも完全に重なっていたようで、これには授乳に影響の少ない漢方治療をしながらしのいだものです。
出産というのは女性の心と体に大きな影響を与えますから、いい事ばかりでは決してありません。些細なことで気持ちがふさぎ感情的にもなるので、そういった心の揺れに対しての知識は最低限持っておいた方がいいと思います。
体の自由度は少なくても、産む前なら疲れない程度の趣味に没頭するのも良いでしょう。出産後は赤ちゃんが眠っている時間を利用して、自分の体も積極的に休ませることが大切だと思います。
お洗濯も格段に増えてきますが、機能的な家電を味方にして少しでも横になると体が楽になるはずですよ。
まとめ
今回は私の実体験を振り返り高齢出産のメリット・デメリットについて考えてみました。
お読みいただいた感想はいかがだったでしょうか?
『あと10年若かったら・・・』それは確かにあります。でも時間をさかのぼることはできないし、それができる世の中だったとしても私は今の自分や家族のあり方を大切にしていきたいなと考えます。
満身創痍(まんしんそうい)で50歳を目前にしていますが、子どもの運動会では走るし、PTAの活動でママたちの先導役にまわった時期もあります。
周りの友達よりちょっとだけ長く独身でいた時間に培ったいろいろを、今は家族のために費やしている気がします。
独身時代には一切感じなかった思いに気付かせてくれたのも、高齢出産です。
これから高齢出産に臨むプレママさん【もうすぐ母親になる人】は、一般的に言われているリスクがどの程度自分に当てはまるものなのか見極め、その中で自分の許容を超えることをどう克服していくのかしっかり考えて欲しいなと思います。
私のように流れに身を任せて結果オーライではなく、新しい命を育むという意味を大切にして欲しいものです。
高齢出産ってなんだか大変そうだねェ。
犬は1回のお産でたくさんの子犬を産むから、安産のシンボルなんだワン!
女の人はお母さんになると強くなるっていうけど、はまねこさんもそうなのかニャ~!?
そうねェ。
母親は家族の太陽に例えられるけど、そうなるにはある程度の我慢や強さは必ず必要になってくるの。社会経験の長さはそれを作ってくれる大切な時間だと思うから、高齢出産の女性には母として必要なことのいくつかがすでに備わっているんじゃないかと思います。
不安ばかりが先行している人こそ適切なアドバイスをもらって、高齢出産に向けて前向きに動き出して欲しいな・・。
私のこの思い、一人でも多くの女性に届きますように。
『執筆者 はまねこさん』